小沢氏問題で民主激震…首相は強気? 党内に「答えるな」の指示も(産経新聞)

 民主党の小沢一郎幹事長の個人事務所への強制捜査に引き続き、小沢氏の元秘書、石川知裕衆院議員に対する3度目の事情聴取が14日に行われたが、政府・与党内には小沢氏の責任を厳しく追及する声はほとんどない。捜査の展開や世論の動向を読み切れず模様眺めをしているためだ。だが裏では閣僚からも「西松事件より深刻。小沢さんは身柄を取られるんじゃないか」との懸念が漏れているほか、「説明できないなら出処進退を」と小沢氏の責任を問う声も出始めた。

 小沢氏は14日午後2時半すぎ、名古屋市内のホテルの地下駐車場から紺色の大型ワンボックスカーで出発した。上空でヘリコプターが旋回し、約100人の報道陣が色めき立つ中を無表情で通過し、高速道路で大阪市へ向かい、高級料亭「吉兆 高麗橋店」で財界人と会合した。

 鳩山由紀夫首相は同日夜、首相官邸で小沢氏をめぐる疑惑について「捜査で全容が明らかになってくる。それ以上のことは申し上げる立場にはない」と記者団に語った。参院選を小沢氏の指揮で戦うかと問われると「そう思います」と答え、小沢氏を続投させる考えを重ねて表明した。

 小沢氏に近い石井一選対委員長は同日、産経新聞の取材に「推移を見守るしかないが幹事長の言うとおり違法性はないと確信する」と述べた。牧義夫国対副委員長は「強引だ」と捜査当局を批判。川内博史衆院国土交通委員長は「潔白だと信じている」と強調した。

 だが、こうした擁護論は一部にとどまり、ほとんどの与党幹部はこの問題への言及を避け、様子見の姿勢に徹している。

 松本剛明衆院議院運営委員長、三井弁雄国対委員長代理、高木義明衆院議運委筆頭理事、海江田万里選対委員長代理は「ノーコメント」。西岡武夫参院議運委員長は「私から申しあげるのはちょっとねえ」と言葉を濁した。

 小沢氏側近の山岡賢次国対委員長は記者団が「よろしければ」と話し出した途端、「よろしくない、もうお時間」と会話を拒絶。亀井静香郵政改革・金融相は記者団が質問を切り出すなり車に乗り込んだ。

 民主党は13日で、党所属国会議員に「議員活動や党活動に対するアンケートが寄せられているが適切かつ慎重に回答するように」とした奥村展三総務委員長名の文書を配布した。これが念頭にあったのか松崎公昭衆院議員は「あまり答えるなという指令が出ている」と語った。小沢チルドレンの青木愛副幹事長は国会内の事務所を閉ざしたまま。佐藤公治副幹事長も記者団の呼びかけを振り切った。

 小沢氏と距離を置く枝野幸男元政調会長もコメントを拒んだ。反小沢の議員さえも慎重姿勢なのは辞任要求ののろしをあげても捜査が進まなければ、政権運営の足を引っ張ったと批判される恐れがあるためだ。

 渡部恒三元衆院副議長も14日の金沢市内での講演で「今の民主党は大政翼賛会みたい」と党内の雰囲気を皮肉ったが、「(小沢氏の進退は)第三者がとやかく言うことではない」と指摘。野田佳彦財務副大臣は「緊張感を持って推移を見守る」と述べるにとどめ、安住淳衆院安全保障委員長は「今すぐどうこういうことはない」と語った。

 ただ、参院選を控え「党に悪影響が出る前に決断してほしい」という声が増えていることも確かだ。生方幸夫副幹事長は「これ以上新たな容疑が出て予算審議に影響が出るようなら」と断った上で「幹事長にはそれなりに対応してもらわないと困る」と指摘した。中堅の1人も「待ってよ。表だって発言するにはまだ早い」とつぶやいた。

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